『日系人学習』における
日系アメリカ人の戦争理解


関東学院大学 文学部 比較文化学科2年
20814069 諏訪原 大樹


 
 はじめに

1章 日系アメリカ人の歴史

 1節 日系アメリカ人の誕生

 2節 第二次世界大戦の中の日系アメリカ人

2章 「日系人学習」とは何か

3章 「日系人学習」における、第二次世界大戦(太平洋戦争)の扱いと、日系人の認識
 
 1節 ハワイの場合

 2節 サンフランシスコの場合

 3節 日本の場合

4章 「日系人学習」から見えてくること

結論

おわりに

  参考文献






1章 研究内容
 1節 研究内容詳細

 私は「日系アメリカ人」と聞くと、最初に、日本人とアメリカ人の血を受け継ぐ
ハーフ、あるいはその子孫のイメージが強く頭に浮かびます。今日では、
国際結婚が広まりつつあり、「まぁ、そんな人もいるだろう」とだけ、思っていました。
 しかし、よくよく考えてみると、「日系アメリカ人」という人たちは、
かつて第二次世界大戦(太平洋戦争)のなかでは、どのように扱われていたのだろうか、
という疑問が浮かんできました。日本人の祖先をもち、しかしながら、
アメリカ人の国籍を持つ彼らは、どのような立場にあったのだろうと思いはじめました。
 また、第二次世界大戦という歴史教育に欠かすことのできないところを、
アメリカではどのようにして教育をしているのか、というところに興味を持ち、
これらの疑問や興味を合わせ、今回の研究テーマとして考えました。
 
「『日系人学習』における日系アメリカ人の戦争理解」というタイトルは、
日系アメリカ人についての学習の中で、今の日系アメリカ人たちは第二次世界大戦という歴史と
「日系アメリカ人」をどのように見ているのか、という意味と、
戦時中の日系アメリカ人はこの戦争をどのように思っていたか、という意味の2つを持っています。
 そして、私はこのタイトルに沿って、2つの疑問を中心に研究をしたいと思います。


・第二次世界大戦を通して、枢軸国という立場をとり、大東亜共栄圏の創造を目指していた日本。
 祖先が日本人というルーツにある日系アメリカ人は、第二次世界大戦時に、どのような状況におかれていたか。
・「日系人教育」を通して、アメリカ人・日系アメリカ人は第二次世界大戦や
 「日系アメリカ人」をどのように見ているのか。どのように教育されているか。


 これらを、歴史的側面、教育的側面、日系アメリカ人が持つ認識という側面から研究していきます。
 そのために、アメリカでは戦争の歴史をどのように教育しているのか、
日系アメリカ人という人々を、歴史の中でどのように扱っているか、書籍での情報収集や現地での聞き込み調査する予定です。



 仮目次の順番では、まず「日系人学習」というものが何であるか、をまとめます。
 次に第二次世界大戦時に日系アメリカ人がどのように扱われていたか、をつきとめます。
 そして、第二次世界大戦という戦争の歴史を、実際にどのように「日系人学習」の中で教えられているか、
について実際にアメリカで使用されている教科書を読んだり、現地調査で聞き込みを行ったりして、
今日、アメリカ人たち、あるいは日系アメリカ人たちがどのように「日系アメリカ人」を認識しているかをまとめます。



 2節 「日系人学習」とは何か

 「日系人学習」とは、森茂岳雄の著書「多文化社会アメリカにおける国民統合と日系人学習」の中で、次のように説明されています。
 『ここで「日系人学習」(Japanese American Studies)というのは、
一定の方法論とスコープ・シークエンスをもった学習(研究)領域の全体をさしているのではなく、
部分的であれ「日系アメリカ人についての学習」をさす概念として広義に使用している。』(1)
 このように、日系アメリカ人について学習するものは、すべてこの言葉でまとめ上げられています。
 あまりに概念の範囲が広く、すべてを列挙し尽くすことが非常に困難なため、私の研究については、
「日系人学習」の中でも、日系アメリカ人の戦争歴史とその理解を中心に取り上げていきます。


注釈
(1)森茂岳雄−『多文化社会アメリカにおける国民統合と日系人学習』、明石書店、1999年、P.3より引用



2章 研究方針
 1節 調査方法

 日本での調査については、書籍・論文・インターネット等を使用し、「日系人学習の内容と実践」、
「第二次世界大戦中の日系アメリカ人の歴史」の2つを中心に調べていく予定です。
 また、「海外移住資料館」に行き、資料集めや情報収集も行う予定です。

 アメリカでの調査については、内容は
1.「第二次世界大戦(太平洋戦争)について、日系アメリカ人は、どのような教育を受けてきたか」
2.「日系アメリカ人という人種について、どのような教育を行っているか」
を中心とします。

 1つは生徒からの視点、もう1つは教師からの視点を取り、「日系人学習」を通して、
日系アメリカ人の立場というものを探っていきたいと思います。


 
 2節 調査場所

現地での各大学を予定しています。


 
 3節 調査対象

現地の大学生、大学教員を予定しています。

 

 参考文献

和泉真澄『日系アメリカ人強制収用と緊急拘束法−人種・治安・自由をめぐる記憶と葛藤』、明石書店、2009年
大谷康夫『アメリカ在住日系人強制収用の悲劇』、明石書房、1997年
大谷勲『ジャパン・ボーイ−日系アメリカ人たちの太平洋戦争』、角川書店、1983年
沖田行司『ハワイ日系移民の教育史−日米文化、その出会いと相剋』、ミネルヴァ書房、1997年
越田稜『アメリカの教科書に書かれた日本の戦争』、梨の木舎、2006年
ジェームズ・W・ローウェン『アメリカの歴史教科書問題』、明石書店、2003年
島田法子『戦争と移民の社会史−ハワイ日系アメリカ人の太平洋戦争』、現代史料出版、2004年
高木真理子『日系アメリカ人の日本観−多文化社会ハワイから』、淡交社、1992年
高橋幸春『日系人 その移民の歴史』、三一書房、1997年
高浜賛『アメリカの歴史教科書が教える日本の戦争』、アスコム、2003年
ダニエル・I・沖本『仮面のアメリカ人−日系二世の米国観と日本観』、サイマル出版会、1971年
デイ多佳子『日本の兵隊を撃つことはできない−日系人強制収用の裏面史』、芙蓉書房出版、2000年
冨所隆治『アメリカの歴史教科書−全米基準の価値体系とは何か』、明治図書出版、1998年
中村哲『歴史はどう教えられているか−教科書の国際比較から』、日本放送出版協会、1995年
野崎京子『強制収容とアイデンティティ・シフト−日系二世・三世の「日本」と「アメリカ」』、世界思想社、2007年
フランシス・フィッツジェラルド『改訂版アメリカ−書きかえられた教科書の歴史』、朝日新聞社、1981年
不破哲三『歴史教科書と日本の戦争』、小学館、2001年
牧野三佐男、ケン・ケンプナー『アメリカ社会と教育事情−その文化、歴史的変遷』、日本図書刊行会、1997年
南川文理『「日系アメリカ人」の歴史社会学』、彩流社、2007年
村川庸子『境界線上の市民権−日米戦争と日系アメリカ人』、御茶の水書房、2007年
村田薫『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』、ジャパンブック、2005年
森茂岳雄『多文化社会アメリカにおける国民統合と日系人学習』、明石書店、1999年
森茂岳雄、中島京子『日系移民学習の理論と実践 −グローバル教育と多文化教育をつなぐ−』、明石書店、2008年
ロジャー・ダニエルズ『罪なき囚人たち−第2次大戦下の日系アメリカ人』、南雲堂、1997年
渡邉稔『アメリカの歴史教科書が描く「戦争と原爆投下」−覇権国家の「国家戦略」教育』、明成社、2007年



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